焦り。
経過報告を兼ねて、カウンセリングをした。
ターミナル駅に併設したどこにでもあるファミレスには、高齢者が多く席に座っていた。
平日の昼間だもんね。ドリンクバーで珈琲が抽出されるのを待って、何を話そうかぼんやりと考える。
休職2週間目にして、復職したときのイメージを産業医に伝えた。
復職のパターンがあるな、と思ったから。
1)元の職場に戻る
2)他の職場に異動する
どっちがいいかわからない。
1)だと職場環境が変わらない限り、また休職する可能性を残す。
2)だと環境を変えることで負荷がかかる。
私は2)の異動をした方がいいんじゃないか、と伝えた。
1ヶ月やそこらで環境を変えられるのなら、もうやっている。
人手不足と社内政治がうずまく1)に戻りたくない。
元の職場に戻りたい人もいるんだろうな、と思うけれど。
職場の配置転換について、産業医は何も言えないのが正直なところで、
そうですか、と受け止めてはくれる。
とにかく、睡眠を整えましょう。復職するのにも、生活リズムが整ってないと、きついだけです。
はい、その通りです。
自分の働いているイメージができていないと、焦ってしまうんだな、と思った。
目的。
休職は、休職する側と休職される側で目的が違う。
休職する側は、健康を取り戻すこと。クリニックは、そのためにアドバイスする。
休職される側は、職場復帰すること。働くこと。
私はその間にいる感じで、早く働かなきゃと思っているのだけど、これは会社側、休職される側の目的だと気づいた。
私の目的は、なんだろう。
なにかをしたいという気持ちは、泡のように生まれ、すぐに消えていく。
働く。
誰がどう思うか、というのを、意識しすぎているようだと自覚する。
空気を読むことに長けて、肝心の自分が、空気になってしまっていた。
誰かのためにすることを仕事と言われる。
働くということばも、人のために動くから、人偏に動くのだと。
いや、働くということばの人偏は、自分なんじゃないのかな。
自分のために、動くことが、働くってことじゃないのかな。
自分のために動くことを、やっていこう。
仕事は他人のものだけど、動くのは自分だから。
まわりの風景が画面越しのような気がしていた。
動くと見えるものが、あるじゃないか。
アクセルを踏むとき、窓が動いているんじゃない。
クルマが動いているのと、同じように。