黙劇プレゼンツ

ちょっぴりをたっぷり。

仕事の9割は整理だと思う。

 

 こんばんは。久しぶりの更新なので筆が硬いかもしれません。

 

 仕事の中身にもよるけれど、仕事の9割は整理だと思う。そんな結論が私の中で出たので、少し書きます。

 

 昼下がり、打ち合わせに出かけようとすると、今日中締め切りで出さなきゃいけない見積をAさんが持って来た。「金額の相談がしたくて」という旨だった。見てみるとちょっと危なかった。去年から継続した案件だったので、金額が極端に下がっていたり、上がっていたりすると警戒されて、金額の信用が無くなってしまう。あとは書面上の注意点だったり、仕様が不確定な部分は大目に見積をしておくのが基本なのだが、忠実に計算したばかりに、仕様書の内容をそのまま、といった具合だった。予防線がまったくといっていいほど無かった。

 加えて、他案件との見積と書類が混在していて、どっちがどっちで、何が何で、ちゃんと分かっているんだろうか、と疑問に思いながら、話を整理しながら聞く、アドバイスをする。

 

 そんな打ち合わせが終わったあと、自席に戻る。そしたらまた来る。今度は過去の金額と今回の仕様の整合性が合わないから、どうしたものか、という相談。前回の金額の理由と今回のケースを見比べて、アドバイスする。わかりましたと自席に戻る。また来る。こちらで用意できるものが仕様と合いません。そう、じゃあ、当社で用意できる仕様はこれだけだから、それは備考に書いておこうか、と言った。

 しばらくして、金額が合いませんと来た。仕様書見せて。前回の見積も、今回の見積は?と確認するために書類を指示したが、そのレスポンスは絶望的に遅かった。それに案件を混在していた。私は、Aさんには申し訳なかったけど、ちょっと注意した。机の上、整理してからのほうがいいんじゃない?Aさんは自分の机を見た。まるで他人の台所で立ちすくむように。何がどこにあるのか、いらない書類は山積み、今やっている案件と、過去の案件が平積みで重ねられていた。私は、まず案件ごとにクリアファイルに入れな、と数枚のクリアファイルを持って来て、案件ごとに入れてあげた。そのとき、これまでAさんが私との会話で書いていたメモは、なんと違う案件の仕様書のはじっこに書いていたのだった!これってなんの意味があるのかな?混乱するだけじゃないかなあと、ふにゃふにゃの字を見て私は言った。

 

 仕事の動作を考えると、言われる/見る から やる というシンプルなものだ。もちろんその「やる」までに優先順位をつけて、クオリティを上げて、ニーズに応えたものを「やる」。そんな途中がたくさんある。途中で電話が鳴るかもしれないし、小言を言われるかもしれない。そんな中で自分のプロジェクトを納期までに終わらす。自分が判断したい情報を確認しながら、アクションをとっていく・・・。

 

 パソコンだって、複数のウインドウを開いていても、見ているウインドウは1枚なのだ。見ることができるのは、たった1枚のシートだけだけなのだ。「見る」のは視野を広げることができるだけで、単一のものしか捉えることができない。

 

 よく格闘ゲームで自分が一回転して複数の敵を倒す技があるけど、現実には1対1で倒すのを極めて短い時間でやっているにすぎない。もっとシンプルに言うと、人は1つのことしかできない。

 

 そうすると、一本の道を作らなくちゃいけない。だって1つのことしかできないんだもの。だから順番だったり、タイミング、どんなものがあるのかっていう情報が重要になってくる。

 

 で、一本道を作るには整理が必要不可欠だ。自然とできる道なんてないし、いろんなことをいろんな人が言って来る職場で、そんな安易なことはない。行くべき道を教えてくれるネコやウサギなんて、職場で見たことあるかしら?アリスじゃないのよ。

 

 逆の話で。

 整理ができれば、自分がどういう状態だかわかるし、潰すべきタスクもわかる。言われていること以上のことだって、自分に余裕があればひとつまみだけアクセントを加えることができる。 情熱大陸ジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんも「整理」ということを意識されているそうです。

 

・人は1つのことしかできない

・整理ができているか疑う

・余裕ができたら+@をする勇気

 

 これだけで仕事のほとんどは片付いてしまうと思う。少なくとも自分の仕事はね。

 

 

 蛇足:Aさんは無事提出するべき書類を提出して定時で帰り、私はたっぷり残業しました。残業代出るからいいもーん(棒)