ケーキ
仕事でケーキ屋さんに行くことがあった。
オーナーを呼んできます、といわれ、キラキラ光るケーキや洋菓子に囲まれながら、ボーッとしていた。
ケーキ屋さんに来る人たちは、みんな幸せな感じがする。退院祝い、ちょっとした贅沢、だれかの誕生日。
ケーキ屋さんは、そういう幸せな感じがプンプンした。もちろん甘いバターの匂いもする。
ケーキをだれかに買っていこうとしたとき、あなたなら何を買っていくだろうか?
ちょっと悩んだ。家族にケーキを買っていくときは、父はショートケーキ、母はモンブラン、弟はシュークリームとバラバラだった。ちなみに私はチョコレートケーキ。
食べ物の話になるけれど、ケーキは栄養がない。糖分と、脂肪とちょっとの果実しかない。カロリーを気にしている人にとって、ケーキは大敵だ。
それでも買っていくのには、ケーキには、体にとっては無駄だけど、食べたいものなんだなあとおもう。
無駄なものを省く昨今、ケーキこそ省かざるして何を省こうか、といった感じだ。
ただ、ケーキを買っていく人は明るい。明るくなろうとしている。
明るくなろうとだれかにはじめてケーキを買っていくとき、やっぱり悩むのがどのケーキにしようか、ということだ。
これだけが気がかりである。