カルボナーラが食べたいと思ったのは、午前中の会議が終わって少しボーッとしているときだった。
対案のない批判、アイデアを出さない(出せない)会議、その途中に全く伝わらない電話の取り次ぎに対応して嫌気がさし、カルボナーラが食べたくなった。
カルボナーラはソースのからまったひらべったい歯応えのある麺、たまにいるベーコン、そして辛味のある胡椒がたまらなく美味しい。
とある日の三次会で半分酔いながら食べたカルボナーラの味を思い出したのもある。酔って集中力が限界だったのにも関わらず、カルボナーラのおいしさだけは味わえた。
定時で上がり、本屋へ行く。コロナ本と夏休みの読書感想文コーナーが充実していた。会議で議題になったことを解決するようなビジネス本は、いくつかありそうな気がしたが、手にとってレジへ行く元気は無かった。
なんか、もっと別の何かから見ないといけないな、と思った。別の何かとは何なんだろうか?ジャンル?分野?歴史?よく分からない。何かとは何なのだ。インドへ旅に行きたいフリーターの気持ちが分かるような、分からないような、そんな気分だった。
二冊買った。
栗野宏文「モード後の世界」扶桑社 2020.8
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594085735
と、
川島ルミ子「シャネル」さくら舎 2020.7
http://sakurasha.com/2020/07/%e3%82%b7%e3%83%a3%e3%83%8d%e3%83%ab/
ファッションのことはよくわからないけど、買ってみた。
本は静かに違う世界を見せてくれる気がする。
カフェに入りカルボナーラを頼む。胡椒の辛さがちょうどいい。
たぶんこれは電子レンジか何かで調理したと思うけれど、
私はカルボナーラが食べたかったから、これでよかった。