黙劇プレゼンツ

ちょっぴりをたっぷり。

積み重ねる旨み

 とある同人誌に小説を寄稿した。何ヶ月か前からお声かけをいただいて、その期間、ダラダラと小説を書いていた。

 告知は主催者から出されるので、それまでお楽しみに。

 ていうか、ダラダラなんて言うと主催している人に失礼なので、マイペースに書いていたと言うほうが伝わりやすいかもしれない。

 小説は何回か寄稿したことがあって、その都度なにかおもしろいことを、と躍起になって一気呵成に書いていたけれど、今回はお誘いをいただいたときから書き始めた。スタートをきったのがけっこう早かった。何回も小説を止めることが多かった。ゲームで言うと、何回も途中でセーブしている感覚。

 小説は起承転結というストーリーの鉄則があると思うけれど、そういうのは考えず、とりあえず書いた。

 日に日に、文字が積み重なって行く。

 文字をカウントするウインドウを見ると、昨日よりも確実に多くなっていって、積み重なっていくのが見えていた。

 毎日書いていたかと言えばそうではなく、1週間に1度、土日とかだね。

 あっという間に完成して〜なんて言いたいけども、全然そんなことなく、体感的に書いているなあと思う期間は長かったと思う。

 でも確かに進んでいるという感覚はあって、積み重なっているという達成感もあった。

 これが旨いなあと思う。美味しいと感じるのが知的なら、旨いは直感というか江戸っ子っていうか、てやんでいみたいな感じだ。(?)

 小説以外でも、何か積み重なっているものはあるんだろうかと振り返る。

 「ふりむくな ふりむくな うしろには夢がない」と言ったのは寺山修司だ。

 確かにうしろには夢がないけど、何かしらしていた自分は、小さくもいるんじゃないだろうか。