黙劇プレゼンツ

ちょっぴりをたっぷり。

お茶の間インターネット

    有名人のSNSの投稿を見て、「おまえごときが何を言っているんだよ」とおもうことが、かすかにあった。

   発言の内容よりむしろ、私が他人のことを「おまえごとき」と判断していたことに問題があった。

   インターネットとて、お茶の間視点なところがあるなあとおもう。お茶の間で父親や母親が、テレビにむかって文句を言っているのを横目で見ていたことが、誰しもあるのではなかろうか。「またおかあさんがなんか言ってるよ。おとなしくテレビくらい見ればいいのに。」とおもうのは、安いテレビドラマでやってもらわなくても、充分その場面にはでくわしているようだ。

   つまり、テレビの場合、文句を言ったとてテレビに映るキャスターや俳優に聞こえるワケはなく、となりに座る人にしか聞こえていない。文句は届かない。

   しかし、インターネット、SNSなんかであれば、文句は容易に届いてしまう。届けやすいし、拾いやすい。関係のない第3者にも情報として飛んでくる。

   ということは、インターネットってやつは、小うるさい父親や母親をゴマンとお茶の間に置いて文句を言わせているような、そういうものなのだなあと、実感した。

   そんな小うるさいインターネットでも見てしまったりするのは、ゴシップへの興味、情報を拾っているときの安心感が、やめられないのだろうなあ。どうしても気になる、というやつだ。

   そういえば、お茶の間で文句を言ってる父親や母親へ、でもさあ、と食って掛かっても、父親と母親の世代のジョーシキとやらで話はおしまいにされてしまうよね。

   お茶の間インターネット。

   横目で見てれば、それだけでいいんじゃないかな。