黙劇プレゼンツ

ちょっぴりをたっぷり。

「なんでそんなにがんばれるんですか?」と聞かれた話

 

   日をまたぐような残業が多い。しかし必要だと思うことをやっているので、後悔はしてない。そういう日々を送っていたら、後輩や別の業者の人に、なんでそんなにがんばれるんですか?と聞かれた。

 

   「仕事だから」と答えた。そうですか、と意外な顔をされた。たぶん、相手は「好きだから」とか「しょうがなく不本意で」とか、本音を聴き出したかったのかもしれない。でも私から出た言葉は「仕事だから」だった。

 

   「好きだから」とか「嫌いだから」という感情的な言葉は、仕事で使おうとは思わない。オフィシャルな場面で、感情的な話をするのがあまり好きではないのだ。好きな作家が村上龍と言えば、少しは納得してくれるだろうか…。

 

   「がんばりすぎるのは良くない」ともよく言われるが、がんばることなどあんまりしていない。ただ時間が過ぎていって、ああこんな時間か、となるだけ。だからつらいとか、そういうことはあまり考えないようにしている。

 

   仏教によると人生は「苦」らしい。よくわからないけれど、そしたらもう生まれた時点でゲームオーバーじゃない?もしかしたら今はゲームオーバーの画面をずっと見ている、ただの肉塊に過ぎないのではないか、と思ってもみる。

 

   仕事は、たしかにつらいと思うことも多いのかもしれない。でも、池田晶子さんの「悩んでいる人は、考えていない。」という言葉にいつも気づかされる。つらいなーという片鱗を見つけたら、考えてみることにしている。

 

   メンタルを考えているときもあるし、仕事のハウツーを考えているときもある、宇宙の端っこを考えているときもある。

 

  感情的に体を動かすと、ろくなことがない。気がする。やれることを見つけて、やってみて、たんたんとやるしかない。

 

   そんな姿は、他人からみてすごくがんばっている光景に見えるらしい。

 

   ただ、「仕事だから」と言いつつ、そうやって意味のわからない「仕事」とかいうやつに答えを投げ入れて、ごまかしているだけなのかもしれない。