黙劇プレゼンツ

ちょっぴりをたっぷり。

すがすがしさ

 平日という、息のできない、いわば窒息の日々が終わり、安息の休日を迎えられると思ったのもつかの間、梅雨本番の湿気が私を襲った。

 洗濯ものが乾かないとか、気圧・湿気による体調不良によって、フラフラの朝だった。というか昼くらいまでそんな感じだった。なんとか牛乳は飲めた。それくらいの元気であった。

 コンビニへ生活雑貨その他を買いに行った帰り、車の運転席の窓から一匹の犬が身を乗り出し、顔を窓から出していた。颯爽と走る車は風を切って進む。

 きもち良さそうだなあと思いながら、重たい足を引きずって家へ帰った。

 帰宅即お布団に倒れこむ。われながらダメである。

 「走ろう」と思ったのは無根拠な思いつきで、「走れば何かが変わるはずだ」と膝を立て起き上がり、家をあとにした。

 近くの海まで15分くらい、走った。下半身に疲労感が残る。曇りの日の海は薄暗く、いっそうの重力を持っているように見えた。

 脳みそが少しすっきりした。汗をかいたせいもあると思うけれど、ウンドーというものが少なからず必要らしい。ともあれすがすがしい。

 すがすがしくなるには、風が必要だなあと思った。