会社を往復する道路にアリの巣がある。
車が煩雑に行き交う道路の路肩で、雑草のとなりに穴を開けている。
小さい頃、誰もがそうだと思うけれど、最初にした虐殺は虫のなかでもアリだったのではなかろうか。アリの巣は水をかけられたり、ほじくり返されたり、埋められたり、散々たるものだ。
あの小さい体で何十倍もの大きさの巣を作ることができる。すごい。私がつくれるのはせいぜい、なんだろう、折り紙くらいしかない。ダンボールを重ねて子供じみた城をつくるくらいだろうか。
昼食の時間に、今月発売のブルータスという雑誌を買って読んでいた。今月のテーマは「建築」であった。
でっかくて、つよくて、おちついていて、はなやかで、つつんでくれる建築。
アリの巣は建築なのではないのかな、なんて思った。平面から垂直に作り出す建物ではないけれど、空間を作るという意味ではおんなじなのかも。
建築のテーギはよくわからんけれど。