黙劇プレゼンツ

ちょっぴりをたっぷり。

お風呂

 かぽーん。である。

 もちろん、家のお風呂に木の桶はないし、遠い山脈もない。目の前は真っ白い壁。狭い湯船に体を折り曲げて肩までつかる。

 お風呂は良い。生活にめんどくさくなって、お布団でゴロゴロしているとお風呂に入るのを忘れることが多々あって、朝急いでシャワーを浴びるのがパターンになっている。なおさら、湯船につかることが貴重になってきた。

 めんどくさい理由はわかる。第一、前の日が雨だったりすると、タオルが乾いてないだとか、あるいは半乾きの状態だったとか、着替えは用意しなくちゃいけないし、シャンプーがもうない、お風呂を掃除しなきゃなどなど、考えるだけで枕に顔を埋めたく思う。

 だけれど、ふと思ってじゃあじゃあと湯船にお湯を張って、その間着替えを用意し、お風呂上がりに飲むための牛乳を冷蔵庫を開けて確認する。そんな動作を続け、最後にお風呂の中で読む雑誌やら読みかけの本を本棚から物色していると、なだらかな湯船ができあがっている。

 体を洗う。

 少し熱いから水を少し足して、少しづつ、肩まで、つかる。そうだそうだと、置いておいた雑誌を拾い、写真と文字を目で追う。もう良いだろうと思って湯船から上がり、タオルを頭にかけながら、牛乳を飲む。

 

 体温が上がることは、体調に良いみたい。

 お風呂上がり、テンションが微妙に上がるからそんな気がする。