黙劇プレゼンツ

ちょっぴりをたっぷり。

おちつく、ということ。(仕事編)

 

 「おちつけ!」

 

 と言われた経験がないだろうか?

 タスクが次々とやってくる仕事は、時間だけをむさぼり食べて去ってしまう。期限があり、カスタマー(客)の機嫌が気になる。きげんだけに。そして焦る。落ち着かないし、落ち着けない。

 

 人によって、テンパりやすい人がいる。「黙劇さんって落ち着いてますよね」なんて仕事上で言われたことがあるけれど、心の中はとっ散らかっている。

 「どうしたらおちついていられますか?」と言われたこともある。そういうときは、「ひとつずつやればいいんじゃないかな」とアドバイスするが、相手はそのひとつずつやってたら時間がないんだって、と言わんばかりに目を細める。

 心を落ち着けるにはどうしたらいいのだろう…?とぼんやりと毎日考えている。自分が心を落ち着けているものを探してみる。

 そういえば、質問箱に「おちつく場所ってありますか?」と質問が来ていた。意外とたくさん出てきたので、全部書いた。場所でおちつくってことは、あるね。これを書いている今、私は仕事が終わって夕食を食べてカフェに来ている。苦くて熱い珈琲と、さっき買った数冊の本をパラパラめくって、ぼんやりしている。

 

 思考というやつは、まったくまとまらない。まとまった思考があるのなら、見てみたい。ただ、言葉にするとき、ある程度整理される気がする。

 おちつかない人への対処法として、面談だとか、話を聞いてあげる必要がある。たぶん、自分の言ってることも分からない状態なのだろうけど、全部言わせてみる。そのあと「さっき言ってたこれってさ…」と拾って言ってあげる。そうすると、「それは…」と順番や意味を整理して言葉が出てくる。おちついたかは分からないが、整理がついた状態になって、どこかしっかりした表情になってくる。

 

 

 自分の話に戻すと、私はノートに書き殴る。仕事のメモも、聞いたことも、アイデアも、タスクも、打ち合わせも、1冊のノートに書いている。顧客ごと、シーンごとにノートを使い分けるなんて器用なことはできないので、たった1冊のノートに、である。

 書くことで、自分の中のもやもやしたものが出てきて、それに順番をつけて、整理する。

 新入社員のころは、「メモが大事だ!」と言われるが、メモをどうするかは教わらないし、ノートを使っていたとしても、覚えた方が早いと考えて、だんだん使わなくなる。新入社員へ私が渡したノートを使っている人なんて、今はいない。で、だんだん、どん詰まってくる。焦るから。やりたいこともやろうとしていることも、できないし、うまくいかない。

 あちゃーと思いながら、面談する。A4のコピー用紙に私が鉛筆で書きながら説明する。なるほど、といった様子でそれを持ち帰る。

 焦る理由のほとんどが、段取りを作れていない。やるべきステップが見えていない。逆に、今何をするべきか分かれば、手は早いと思う。

 

 紙とペンを持って、うんうん考えながら段取りを作る。なんか仕事してるっぽくて、いいじゃない?

 

 余談だけど、おちつくには、度胸も必要な気がする。どうなってもいい、なんでもいいから来てみなさい、という潔さも必要だったりする。プレゼンや話がうまい人って、潔さがある人が多いのは、気のせいだろうか…?